鈍感な人間
世の中には、「金貸し」は、立場が強いと考えている人が多いだろうが、実際には、「金貸し」が強いのは、「金貸し」を心理的に恐れている人に対してだけである。 すなわち、「敏感な人間」に対して。 しかし、鈍感な人間に対しては、この能力は、ほとんど効力がない。 家に督促に行ったとしても、玄関のドアをしめられてしまえば、それ以上、なにもできない。 ドアを勝手にぶちやぶったら、器物損壊罪だし、住居侵入罪だ。 かりに、家にはいったとしても、殴ったら暴行罪だし、金を強奪したら、強盗罪まで、ありえる。 しょせん、金貸しにできるのは、せいぜい、「怒鳴りまくる」という、音声攻撃であるが、それも、鈍感な人間が、目の前で寝ころがって相手にしなければ、それまでである。 鈍感である能力は、借金の整理という、人生の大きな局面において、とてつもなく大きな効果を発揮する。 ただ、それは、いわば、戦場の能力であり、非常時にのみ、輝く能力なのだ。 そして、市民社会においては、表立っては、鈍感力は、忌み嫌われる能力である。 鈍感な人間ばかりだと、市民社会は、成り立っていかないから。 ただ、戦場を制するのは、鈍感である能力、すべて一切のものを無視するという、究極の防御力なのである。- 次のページへ:金策に回る日々になったら考えよう
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